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「自然との共生」から「第2の自然」へ

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先日、乃木坂で行われている二つの展覧会を覘きに行ってきました。

一つは、安藤忠雄氏の建築展を開催中の「ギャラリー間」。
ここはTOTOが主催しているギャラリーで、建築系の展覧会を定期的におこなっています。最近はなかなか足を運ぶ機会もなかったんですが、学生の時には毎回のように通っていました。

もう一つは東京ミッドタウンにのなかにあるギャラリー「21_21 DESIGN SIGHT」。三宅一生、佐藤 卓、深澤直人の3氏がディレクターを勤め、「先を見通すデザイン発信の場」を理念に昨年オープンしました。こちらでは現在飛ぶ鳥を落とす勢いのデザイナー、吉岡徳仁氏がディレクションした「セカンド・ネイチャー」展が開催されています。ちなみにギャラリーの設計は安藤忠雄氏です。

面白いことに、今回のこの二つの展覧会には共通して「自然」という言葉がキーワードとして設定されていました。

今でこそ「エコだ」、「ロハスだ」と騒いでいますが安藤氏はもう30年以上前から「自然と共にある生活にこそ人間生活の原点がある」という結論の下、社会に対して様々な提案をし、建築活動を続けてきました。そしてその代表作の一つとして、自らの建築の原点となっている「住吉の長屋」という作品があります。発表当時は賛否両論を呼び、その後の多くの建築家に影響を与えた傑作です。安藤氏の作品は年代を重ねるごとに規模が大きく、複雑になっていますが「自然との共生」というコンセプトは「住吉の長屋」から変わらず、常に’人の意志と自然との関係性’を主題において設計されているようです。

今回は展示の目玉としてその「住吉の長屋」の原寸大のモデルがギャラリー内に’建築’されていました。その内部空間を体感して、改めて、機能性だけでは得られない、ある一つの「必要であるべき豊かさ」というものを認識しました。


そして「セカンド・ネイチャー」展。
吉岡氏もまた、数々の作品の根底には「自然」という概念を持たせ、そこにテクノロジーをうまく取り入れながら、新たな価値観を生み出し続けている方だと私は捉えています。彼は素材とプロセスに徹底的にこだわっていて、展示でも完成までの経過が紹介されていました。彼の展覧会ではほとんどがそうなのですがこれが単なるアートの展示だと「結果」のみが意味を持ち、製作過程のプレゼンテーションなどはまず発表しないと思います。この辺がやはり吉岡氏の’デザイナー’としての面白さの一つではないでしょうか。

素材のこだわりに関してはさすがに倉俣史朗さんの弟子だなぁと感じます。
やわらかい発想と具現化する厳しさが受け継がれているんですね。

今回はミラノサローネのレクサス展で行なった、グラスファイバーによる空間全体を覆ったインスタレーションとその空間内に置かれた実験的とも言える数点の’結晶’の椅子。正直今回の作品に関しては、個人的には「おいていかれちゃった感」を感じ、さほど気持ち的には入り込めなかったんですが、雰囲気は楽しめました。

二つの展示を通じての感想は、どちらも常に主役は「人」であり、「自然」であり、極端な言い方をすると建築もプロダクトも、それを表現し、伝える為の媒介でしかないのではないかと感じました。二人のミニマルな作風の中に眠る「コンセプト」とも違う「ゲンジツ」ではない何か。。。。。とは?
そんなことを考えさせてくれました。

今後も常に新しい刺激を与えてくれるお二人の活動が楽しみです。

(ht)

■安藤忠雄建築展 [ 挑戦 -原点から-]
12月20日(土)まで
ギャラリー間
http://www.toto.co.jp/gallerma/ex081003/index.htm

■「セカンド・ネイチャー」
09年 1月18日(日)まで
21_21 DESIGN SIGHT
http://www.2121designsight.jp/

2008 12 01 | 固定リンク

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