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取りに行きます - あなどれない一言

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バスを待つ間、ふと見上げた視線の先、ガードレールに貼り付けられた手書きの看板?。

『男女洋服修理承ります。 取りに行きます。 TEL0000-0000』
※レポート上、電話番号は非公開とします。

え?取りにきてくれるの。
早速に携帯に電話番号を登録。これでいつでも連絡が可能です。

この看板。おしゃれでも何でもありません。
しかもバス停の前のガードレールに、ワイヤーで貼り付けられています。

おそらく違反行為なのでしょう。ついてたと思うと、直ぐに剥がされたりもしています。
私が最初に見つけた時は、ダンボールに書かれてましたが、最近は床に貼るビニールシートの裏面を利用したりしています。

関係ない人からみると、なにがいいの?と思われるかも知れませんが私にはものすごく、響いたのです。

『取りに行きます』 この一言が。

少し個人的な話になりますが、私がよく洋服の直しをお願いするお店は、家から徒歩5分くらいのところにあります。

しかしこのお店の営業時間は、平日の8:30〜18:00までなのでお願いする時は、少し早めに家を出てお店に立ち寄ってから会社に行く以外に方法がありません。
正直言って平日の朝、早めに家を出るという事は、私にとっては大変な努力が必要です。

しかも1回だけではありません。
お直しをお願いすると、引取にも行かなくてはならないのです。
これもまた大変です。

だから『取りにいきます』 この一言が、私には何より嬉しい
サービスだったのです。

もちろん電話しました。帰宅後、22時過ぎに電話したにもかかわらず、直ぐに来てくれました。

出来上がったら、電話して届けてくれるそうです。
ありがたいです。

料金は、正直言って他より高いです。
プロの裁断師だというその人は、「普通の服を全部解体しなければならないような直しも、自分なら全部できる。普通の修理屋じゃそうはいかない。服のことを全部知っているからできるんだ。」と自信満々に話しました。

でも逆に取りにきて、また届けるという手間を考えると、高くないと商売にならないんだろうなぁーなどと、納得したりもしました。

看板の事も聞いてみました。

「お客さんの8割は、女性だよ。あそこに高層マンションがいくつも建っているでしょう。あのマンションには、常連さん
がいっぱいいるよ」
「みなグッチとかシャネルとか、すごい服がいっぱい掛かっているよ。でも年々太っちゃって着られなくなった服がいっぱいなんだ。それで、僕が行って全部剥ぎ直して、着られるようにしてあげているの。」

なるほど、やはりこの人上手いんだ。一人、心の中で納得。

「でも看板よく剥がされてますよね?」って聞くと

「そうなんだよ。誰か管理している人がいるんだろうね。でも、こうやって夜に出た時に、また貼ってくるんだ。いたちごっこだね。」

「剥がされても、また貼るってことは、よっぽど効果があるんですね?」

私のこの問いかけに応える代わりに、その方はニヤッと笑って部屋を出て行きました。

この看板、やはりルール違反っぽいので、場所と電話番号は表記しません。

だけどです。

この看板の対費用効果って、高級店の立派な看板より高い事は間違いありません。

『取りに行きます』 なんて、そんなあたり前の事と思われるかも知れません。
しかし、お店にとってはあたり前でも、お客様には伝わっていないことってすごくたくさんあるように思います。

お客様が何を知りたいと思うのか?
何て書いてあれば電話したくなるのか?
形やデザインにこだわる前に、まずそのことを考えてみるべきだと思います。

2004 09 16 [販促アイディア] | 固定リンク

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